🔍 なぜ駅距離を補正するのか?
中古マンションの価格は、最寄り駅からの距離によって大きく変動します。
- 駅から近い物件(徒歩3分以内など)は、非常に高く売買されやすく、
- 駅から遠い物件(徒歩15分以上など)は、大幅に価格が下がる傾向にあります。
しかし、これもまた
「そのエリア全体の相場がどうか」という本質的な問題とは別の話です。
🎯 駅距離を補正する理由
たとえば、A町とB町で同じ築年数・広さの物件があったとしても:
- A町の物件は駅徒歩3分
- B町の物件は駅徒歩18分
…では、当然A町の物件のほうが高く売買されるでしょう。
でも私たちが知りたいのは、
「エリア全体として、どちらの相場が高いのか?」ということ。
その判断には、駅からの距離という“偏り”を取り除く必要があります。
✏️ 駅距離補正の方法
このサイトでは、次のような数式を用いて駅距離補正を行っています:
補正価格 = 取引価格 / [土地割合 × exp(-β × 駅徒歩分数) + 建物割合]
📌 ポイント解説
- 駅からの距離が長くなるにつれて、土地価格は指数関数的に下がると仮定しています。
- **β(ベータ)**は、その“下がり方”を調整するパラメータで、エリアごとに異なります。
- 駅からの距離は「徒歩分数(分)」として扱い、建物価格には直接影響させません。
このような形で、**駅距離の影響を取り除いた価格(基準価格)**を算出しています。
✅ 補正のメリット
駅距離によるバラつきを整えることで、次のような効果が得られます:
- ✅ 駅近・駅遠の物件を公平に比較できる
- ✅ 地域ごとの“本来の相場”が浮き彫りになる
- ✅ マップ表示や相場分析の精度が大きく向上する
⚙️ 駅距離補正も「前処理」
駅からの距離も、価格に大きな影響を与える要素ですが、それだけで価格が決まるわけではありません。
- 築年数
- 広さ
- エリアのブランド力
- 眺望や日当たり
…など、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。
その中でも、駅距離による偏りを“整える”ことで、本質的な相場水準に近づくことができるのです。
🗺 駅距離補正後の価格を、地図で見る
補正された価格データを地図に可視化することで:
- 「駅から遠いけど、相場的には悪くない」
- 「駅近で高いけど、地力の割に割高かも?」
…といった比較が、ひと目でできるようになります。
🎓 まとめ
- 駅からの距離で価格は大きく変わる
- その“ズレ”を指数関数モデルで補正
- 結果、地域ごとの本当の価値(相場)が見えてくる
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